トレーニングやスポーツをすると、「筋肉痛」と「疲労感」は必ずセットのように感じられます。しかし、この2つは同じように思えても、体の中で起こっている反応はまったく異なります。正しく理解することで、回復を早めたり、ケガを予防したりすることができます。今回は、筋肉痛と疲労の違い、そして効率的に回復させる方法について解説します。
まず「筋肉痛」とは、筋繊維が運動によって微細な損傷を受け、その修復過程で痛みを感じる状態です。特に、普段使わない筋肉を使ったり、負荷の強い運動をした後に起こる「遅発性筋肉痛（DOMS）」が一般的です。痛みのピークは運動後24〜48時間に現れ、数日で自然に回復していきます。これは、筋肉が強くなるための過程でもあり、必ずしも悪いものではありません。
一方「疲労」は、筋肉に疲れが溜まり、エネルギーが不足した状態のことを指します。乳酸や代謝産物の蓄積、血流不足、栄養の消費などが原因で、重だるさや張り感、全身の倦怠感として現れます。疲労の場合は、痛みよりも「動かしづらさ」「力が入りにくい」といった感覚が強いのが特徴です。
回復を早めるためには、「筋肉痛」と「疲労」でケア方法を変えることが重要です。筋肉痛には、軽いストレッチやウォーキングなどの“軽い運動”が効果的です。血流を促し、損傷した筋肉が修復しやすい環境を整えることができます。また、入浴や温熱ケアも痛みの緩和に役立ちます。
疲労が強い場合は、まず休息が最優先です。十分な睡眠、栄養補給、水分補給は基本。特にタンパク質やビタミンB群、ミネラルは疲労回復に欠かせません。ストレッチやマッサージで筋肉の張りを取るのも良い方法です。
当院では、筋肉の状態を見極め、筋肉痛・疲労のどちらにも合わせた施術やストレッチ指導を行っています。「疲れが抜けない」「筋肉痛が長く続く」などのお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。